初恋の行方〜謎の転校生〜
「おまえが好きなのは悠人で、俺じゃない」


「ち、違います。私は確かに柏木君のことを……」


「そんなわけない!」


「ひっ」


柏木君に怒鳴り付けられてしまった。


「昨日会ったばかりの俺の、何が分かるってんだよ? 顔が悠人と同じだからだろ? おまえは俺を悠人の代わりにしてるだけだ」


「違うよ。柏木君が悠人君とは別人だって、ちゃんと分かってる」


涙が溢れて頬を伝い、私はそれを手の甲で拭った。


「だったら尚更言わないでくれ。悠人に合わせる顔がない」


柏木君は低く、小さな声でそう言った。


「おまえは俺にキスされて、その気になってるんじゃないのか? だとしたら、とんだ勘違いだ」


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