初恋の行方〜謎の転校生〜
私は柏木君の言う意味が分からず、涙で霞む目でぼんやりと彼を見つめた。


「俺があの佐藤とかいう奴らと同じだと言った意味を、おまえは分かってるのか?」


そう言えば、さっき柏木君はそんな事を言っていた。だから礼はいらないと。

悠人君は柏木君の分身だからと言っていたけど、結局意味がよくわからなかった。


「わからない……」


「やっぱりな。復讐だよ」


「復讐?」


「そうだ。俺は悠人を振ったおまえに復讐するためにあの学校へ行き、おまえに近付いた。キスしたのも、それが目的だ。おまえの事を身も心もボロボロにしてやろうと思った」


「そんな……」


「と言っても、もうそんな気はないから安心しろ。おまえが本当は悠人を好きだと分かった時点で、終わったよ」


「終わった?」


「ああ、終わりだ」


その時、部屋のドアをノックする音がした。


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