One STEP
「ねぇ」
言葉にならなかったから、手を琴子の顔のまん前に突き出した。
真っ赤になっている手。
どうしてくれるんだ、と睨みつける。
「あらら。そんなに赤くなっちゃって」
人事だなぁ、おい。
「……」
「……」
「…ごめんね?保健室行こっか…?」
そう言って立ち上がる琴子。
あたしは膨れっ面。
手が痛い。
興奮してたにしたって、これは酷すぎる。
「ごめんってばぁー…」
「…別にいいけどさっ」
琴子はこんなやつだ。
だから毎回許してしまう。