One STEP



どんどんどんどん高くなっていくスイカを、一体あたしと慎也はどんな顔で見ていたことだろうか。



もちろんそんな光景を見て吐き気を覚えたが、なんとか笑って会釈をした。


ものすごい顔は引きつっていたに違いない。



断るにも断れないこの状況に、あたしと慎也先輩はアイコンタクト。



「どうしよう」と相談。


解決策は出ない。



あたし…もう無理なんだけど…



腹の中はスイカ。


誰にだって限界はある。


チャポチャポだ。



どうしてこんなにスイカを運んでくるんだろうか。


どこをどう見たって、限界ということは分かるはず。



もしかして新たなイジメだろうか。


腹の中をスイカだらけにしてやるぜ、みたいな…?



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