One STEP



琴子はあたしが先輩のことを好きだということを知らない。


この隠れていた気持ちをどうしても口にすることができなくて、誰にも言えずにいる。



バレないようにしなくちゃ、とは思わないけれど、あたしの気持ちを知らないでのあの質問は心臓に悪い。



「まぁ頑張ってよねー。あたしまたこの前の場所狙っていくからさっ!」



相変わらず嬉しそうに楽しそうに親指を立てて笑う琴子。



お-なんとも男っぽい、つーかカッコいいな。


なんて思いながら、あたしには強い味方がいるんだと思ったら断然やる気がみなぎってきた。



「うん!頑張るよっ!」



頑張るよ。


気合は十分だ。




そんなこんなで琴子とわいわい騒いでいると時間はあっという間に過ぎてしまうもので。



「いっけない!!もうこんな時間!!」



あたしは時計を見ては慌てて立ち上がった。




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