One STEP
面白半分? なんて一瞬そう疑ったが、彼女たちの目はそんな目ではなかった。
ただ純粋にあたしを応援してくれているキラキラした瞳だった。
そう、あの日先輩たちに向けたあたしの瞳のようだった。
そっか…こんなにも楽しみにしてくれる人たちがいるんだ。
そんな小さなことでも胸が温かくなる。
あたしはみんなのためにも、演劇部員のためにも頑張らなくてはいけないんだ。
誰かのために頑張る。
こんなの初めてだった。
だからこそ緊張する。
だけど、ワクワクする。
「ありがとう」
あたしは心からそう言って、微笑んだ。