One STEP
あたしはパタパタと慌ただしく、校舎から出てきた先輩の元へ駆け寄った。
「山田先輩…っ!」
あたしの声に先輩は友達からゆっくりとあたしに視線を移す。
パチリと合った、あたしと先輩の視線。
よし!
今だ行け香澄っ!!
自分で自分に勇気を出させる。
湧き出てきた勇気を振り絞って声に変換。
「ずっと好きでした…っ!!」
ドキンドキンと胸が高鳴る。
先輩は突然のあたしの告白にビックリと目を見開いている。
勇気を出しての告白。
初めてだから、それなりに緊張していたのに。
先輩はにっこりと王子様スマイルを顔いっぱいに広げると、あっさりこう言った。
『ごめんね。可愛い子が好きなんだ』
…は?
その言葉にあたしはフリーズ。
石化状態。
止まった思考。