サックスガール

プロローグ

「くるみー!早くしてー!」

「えー何でー。」

「いーから!!」

なぜ未来とこんな言い合いをしてるのかと言うと、

「吹奏楽部の演奏終わっちゃうよー。」

「別にいいよー。」

今日はあったか広場に来てるんだ。

あったか広場は地域交流のイベントみたいなもの。

そこで、吹奏楽部の演奏があるんだって。(他人事)

それが見たいんだって。(超他人事)

「私は演奏よりわたあめが食べたい。」

私はもう一度列に並ぼうとする。

「えぇー今2個持ってんじゃん。」

「これは自分の!弟の分あと1個ほしい。」

「一個ずつで十分!!」

そう言って体育館に引っ張られた。

演奏はすぐに終わってしまった。

「見たかったのに・・・気になってたのに・・・」

「わたあめ並ぼうっと」

「くるみ~!!」

あ、さっき演奏してた人達が出てきた。

でも、そんなことよりわたあめ。



この時の私には吹奏楽部なんて言葉はなく、演奏よりわたあめだった。


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