ねぇ…先生。。






教室に戻るとクラスのみんなは自分の席に座って涙を流していた。




【ガラガラ】



そこに伊藤ちゃんと先生が教室に入ってきた。



伊藤ちゃんの目にも
先生の目にも

涙が溜まっていた。



『……卒業おめでとう』


伊藤ちゃんはそう一言言った。



そうすると伊藤ちゃんの目から大粒の涙が落ちた。



『………うん…。

お前らの担任で本当に良かった。


問題児も少なからずいるけど
それでも楽しかった。


これから大人になるにつれて

たくさん辛いことや、
悲しいことがあると思う。


そういうときは

ここでの高校生活を思い出して
高い壁を乗り越えていってほしい。


悩んだときは
この学校に遊びに来い。


来たら歓迎して向かえてやるから。』


伊藤ちゃんは一度言葉を切って深呼吸をした。



『3年間、この学年を持つことができて良かった。

お前ら、最高に良いヤツだな!!』


ニカッとオヤジくさい笑顔を見せた伊藤ちゃん。


笑っているのに目からは大量の涙が流れている。



伊藤ちゃんの言葉を聞いて勢いが増す私の涙。



いや、私だけじゃないみたい…。



みんな声を上げて泣いていた






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