アイシング、マイラブソング
当日は快晴。


―千架の誕生日だからなぁ


なんていい加減なこと思うくらいごきげんになる。


この日もいつものごとく駅前で待ち合わせだった。

いつも、ほとんど僕の方が早く来る。

女の子を待たせたくないし、
男のマナーであって
どれだけ長く付き合おうとこの先も変わらないと思う。



「よっ」



千架が男らしいあいさつで僕の前に現れた。


―この前は「ごきげんよう」だったな


飽きさせないためか
いつも違う言葉で現れる。

その気遣いが嬉しい。



「千架、17歳おめでとぉ」



一番に祝いたくて午前0時にメールはしていたけど、

無論直接言いたかったのですぐに伝えた。



「悠と過ごせて嬉しい。ありがとう」



どき



―う~ん、こっちがありがとうだなぁ…



素直なことって大事。


たくさん一緒にいても
飽きずにこんなに心が揺さぶられるのは

いつも本当の気持ちを伝え合っているからなんだろう。
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