アイシング、マイラブソング
「ほ、欲しいの…?」
「うん!」
―なんて素直な…!
頬を赤らめて頷く千架に
めちゃくちゃときめいた。
僕も基本的には素直で単純だから、
次の瞬間にはもう
抱き締めたい衝動に駆られた。
『きをつけ』みたいにまっすぐ垂れていた手が、90度まで上がってきた。
だが理性がすぐに下へ押し戻した。
―ダメだ…彼女じゃないんだから…
「悠…?イヤならいいんだけど…」
動揺しまくって無言だった僕を苛立っているように見えたのか、千架が申し訳なさそうに言った。
「えっ、あ…こんなんでよければ、やるよ」
プチっとちぎって、千架に渡した。
一瞬触れた温かい手の平のやわらかさが懐かしくて、くちびるを噛んで想いが込み上げることに耐えた。