アイシング、マイラブソング
「はろ~」



考え事をしながらうつむいていたので、声で彼女に気がついた。


顔を上げて第一に思ったこと。


―あ…今日も可愛い。


思わず、漫画の効果音風に言うと『ポッ』となった。

グレーの七分袖のワンピースにスパッツというカジュアルな出で立ち。

アップにした髪も幼くて可愛いらしかった。


「三上、どうかしたの?」


心配そうに僕を見つめる。
完全にこっちの都合なのに申し訳なくなる。

「何でもないよ。行こっか!」


―今日この子にコクるんだよな


実感がいきなり湧いて、
言い知れぬプレッシャーが僕を襲い始めていた。
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