コヤナギの冒険
小柳は茶屋に着いた。
というか既に茶屋の前に立っていた。

「地図、いらないんじゃね?」

「…」

「シカトすんなよ仏!!!」

「あら、いらっしゃい。お客さんお一人?」

小柳が仏の螺髪をむしりとっていると、茶屋の中から女が出てきた。

「3に…ごふッ!!!」
「1人です」

「でも…仏様と桃太郎さんが…」

「違います。背後霊とボンレスハムです。僕はハムは嫌いなので貴女に差し上げます」

苦笑いを浮かべる彼女に、小柳はハゲダルマもといボンレスハムを差し出した。

「…ごめんなさい。わたしもハムは嫌いなのでそこの池に捨ててくださいませんか?」

彼女の一言でボンレスハムは四回目の水中遊泳に旅立った。

「さあさ、立ち話もなんですから中へどうぞ。お茶をお出ししますね」
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

椿戦記
朝都/著

総文字数/21,894

その他32ページ

表紙を見る
『僕らが今いる今日は』打ち合わせ
朝都/著

総文字数/2,721

その他13ページ

表紙を見る
僕らが今いる今日は
朝都/著

総文字数/30,002

青春・友情35ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop