君と私の物語 【短編集】

バレー

洸side


「バレーボールってかっこよくない?」

夏真っ盛り

昼ごはんを食べ終え

テレビを観ていた時だった

「バレー?」

「そう!昨日日本と韓国の

 バレーの試合やってたやろ?

 それ観てかっこええなぁ思って!」

そういえば昨日

目ぇキラキラさせて観てたっけ...

「で?」

答えなんかわかりきってるが

一応訊いてみる

「バレーしたい!」

やっぱり...

「ムリやろ」

「何でそんな事ゆぅんさ!

 やってみなわから「運動オンチなお前が?」

食い込み気味につっこむ

「うっ...」

少し詰まる燐だが

「やりたい!バレーしたい!」

そうゆぅヤツなんは

わかってんねんけど

「痛いで?」

「でもぉ...」

上目遣いで俺を見てくる燐

それ狙ってるんちゃうやろなぁ...!

「あーハイハイ、また今度な」

「今度ていつよ!」

「いーつーかーな」

「ヒドイわぁ」

「ハイハイ」

曖昧に生返事をしとく

これ以上ゆぅてたら

ホンマにやりかねへんからなぁ

そんなことなったら

「お前がバレーやったら

 お前とおる時間みじかぁなるやんけ」

何て少し照れくさいが言ってみる

まぁ燐とおる時間がながぁなんねんやったら...

「洸もやろ!」

...もうえぇですわ

「天然なんて嫌いや!」


***バレー***

(!?急にどないしたんよ)

(何でもないわ!

 この天然ドアホ!)

(ドアホにドアホゆわれたぁないわ!)

(お前の方がドアホやねん)


2011/08/08
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