【長編】雨とチョコレート
「まさか、極道やってるって、お嬢にバレたんですか?」
いや、それはない。
幼稚園のあの一件から、なんとか隠し通してきたんだ。
いまさらバレるわけがない。
バレてなるものか・・・・。
「ちがくて・・・・俺の・・・彼女に間違われるのが・・・嫌・・つうか・・・」
寺は「あらー。それはそれは・・・」と微妙な顔をした。
そりゃ、微妙だよ。
分かってる。
そんなのはさ、誰に相談したって同じなんだよ。
今、神崎に言ったって、状況が変わるわけないもんな。
「・・・・もう、俺、風呂入ってねる・・・・」
「そうですね。ゆっくり休んだほうがいいですよ」
寺はわかってる。
こういうときの俺の扱い方。
さすがだ。
「ゆっくり寝て、明日、また考えなさい」
「うん。おやすみ・・・」
話を聞くだけ聞いて、あとは自分で考えさせてくれる。
マジで寺、ありがとう。
・・・・疲れた・・・