幕末陰陽師
「キツネ、何をしているの。」




はっと気付き、私は我に返った。




「…すみません、主様。少し考え事をしておりました。」




少し気を抜いていた。これから調伏に向かうというのに、これでは命を全う出来ない。
己に反省し、私は主様の後についた。




京の夜道を歩く。
辺りは暗く、規則正しく並んだ碁盤目状の通りは歩くたびに同じような景色を覗かせた。
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