近くて遠い恋夏


夏みかんに手を伸ばす。


島田さんは「むいてあげようか?」


って言ってくれたけど、とりあえず「自分でやってみてダメだったらお願いします」って言った。


どうせむけないのはわかってた。


でも少しでも同じ空間と時間を過ごしたかったから。


やっぱり力が入らない。


いくら頑張ってみても全くむけなかった。


「どうみてもダメそうだけどそろそろギブアップしたら?」


私が持ってた夏みかんを島田さんが手に取った。


手が…触れた。島田さんの手一瞬だったけど触れた。


その手は温かかった。

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