ダイヤモンドダスト
「母さんと父さんが出会わなければ
俺なんて存在してないんだぞ?
そう思うと、二人が別れれば
なんか俺が俺じゃなくなる気するんだ」
関口の言葉に
何度も自分の親の顔を思い出した
「そうだな…」
二人だけの教室で
まさか男二人でこんな話をすることがあるとは思ったことがなかった
「その話をしたんだ…親に」
関口が昨日の夜にその話を親にすると
二人は考え直したらしく
今日の朝には離婚書を二人の目の前で破いたらしい
「大学に行けって…そう言ってくれたんだ」
「じゃー、大学に行くのか?」
「うん…今まで俺たちの事なんて興味示さなかったくせに、今さらになって大学に行って何をしたいんだ?将来何になりたいんだ?って…ちょっとウザかったよ」
関口の顔に笑みが戻ってきた