出逢えてよかった
嫌な奴

第一印象



真新しい制服に身を包む。

憧れの明星学園の合格が決まり、私、岡本ももかは高校一年生になりました。

明星学園は、かなりのお金持ち学校で、入学できる人が限られている。
そんな所に私が入学できたのが不思議なんだけど…。

キャーッ!!

うぇ?何、この喚声は…。
虫が出たとか?!


『琉維さまーっ!』

へ?るい?誰それ…?

声のしたほうを振り返ると一人の男の子がいた。

ゆうに180はあるだろう長身
茶色く無造作にセットされた髪の毛
少し着崩された制服

ドキンッ―…

え、何この胸の高鳴り…
ドキドキが止まらない。

生まれてから一度も男の子に興味を持ったことがない私には、この胸のドキドキが分からなかった。

「琉維さま、今日は大事な方をお決めになる日ですぞ」
「分かってる」

大事な方…。
執事らしき人は確かにそう言った。
何で、胸が苦しくなるの?

ふと目の前に影がかかる。
気になって顔を上げる。

「…っ!」

目の前に立っていたのは例の琉維という男だった。

「あんた、名前は?」
「えっ?」
「あんたの名前」
「岡本、ももか…」

岡本ねぇ、そう呟いて執事さんの所に歩いて行って執事さんに何か話してる。

執事さんは何やら不服そうな顔をしながらも、頷いていた。

え、えっ?
何でまたこっち来るの?

「岡本だったよな。ちょっと来い」
「えぇっ?!」

勝手に私の手を握り、歩きだす琉維。

「ちょ、どこ行くの?」
「黙ってついてこい」

何なの?その俺様的な態度!ムッカつく〜
なに、勝手に手繋いでんのよっ!
そんな私の気持ちは琉維には届かなかった。

引っ張られること約3分。
ある建物にたどりついた。
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