シンデレラと魔法使い

2

「で、お前舞踏会にいきたいんだろ?」


「あ、そうだった……」


レオの言葉で私は再び沈んだ。


「……でも、駄目だよ。私、綺麗なドレスなんてもってないし……」


私は、服なんてほとんど持っていない。昔の服はすべて捨てられた。


「……私にはこんなみすぼらしい格好がお似合いなんだよ。」


自嘲ぎみな笑みを浮かべる私をレオはただただ見つめていた。


「だいたい、私みたいな子が舞踏会に行きたいなんて思っちゃだめだったんだよ。せっかく、願いをかなえにきてくれたみたいだけど、帰って。」


「………………お前、それでいいのか…?」


私の話を黙って聞いていたレオが口を開いた。


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