シンデレラと魔法使い

3

お菓子やお茶がひとまずおわり、大臣が咳払いした。


いよいよ本題に入るようだ。


「そろそろよろしいですか、王子。」


「ああ。」


王子に確認をとると大臣は鞄のなかから厳重に保管されたガラスの靴をとりだした。


(やっぱり…私のはいていたものだ…)


「ご存知のとおり、私どもはガラスの靴のはけるお嬢様をさがしております。」


部屋の空気が一瞬にして変わった。


「履いていただけますか。」


「はい。うちの娘たちでいいのなら。」


その言葉に大臣はうなずき、ガラスの靴を置いた。


カトリーヌが席をたち、ガラスの靴に歩み寄る。


「…………」


恐る恐る、足をいれる。


が足を入れた瞬間、大臣たちはため息をついた。
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