シンデレラと魔法使い

2

魔法のじゅうたんはすごかった。


乗り心地は最高だし、想像以上に空高く浮かぶ。


「うわー!街が小さい!」


「当たり前だろ。」


「はあ…レオって夢がないよねー」


「はあ?」


レオは心外だ、という顔をしていた。


「なんでだよ!魔法使いって時点で十分夢あるだろ!」


「そりゃそうだけど…なんか夢がない!」


「意味わかんねぇ…」


そういうとレオはゴロンと魔法のじゅうたんに寝転がった。




「あ!そういえばレオだましたわね!!」


「は?何が?」


いきなり言われたレオはぽかんとした顔になった。


「馬車よ!ドレスより時間もつとかいってほとんどもたなかったじゃない!」


「ああ、あれか。なんだよ、2,3分長かっただろ。」


「そうだけど…ひどくない?レオのせいで私はもろ蛇をつかんだんだから!!」


「嘘!まぢで!?」


「大まぢよ!」


レオは突然爆笑しはじめた。


「あははは!!やっぱ、お前最高!いじめがいあるわ!!」


「は?じゃあ、まさか…わざと時間短くしたわけ?」


「あったり前だろ!あんぐらいの馬車ならもうちょいもつわ!ドレスは原型がないもんだから無理だけど。」


「…レオのバカ!!」


やはりレオはSだった。
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