シンデレラと魔法使い

2

あれから数日―


胸の内にもやもやしたものを抱えつつ、明るいピンクのワンピースに身を包んでいた。


「青も似合いますが、ピンクも似合うんですね。」


ルイ王子が私に笑いかける。


それを、ありがとうございますと笑顔で返す。


「今日はいつもと少し違うんですね。」


私は辺りを見回す。


いつもは、乗馬やヘリ、高級レストランなどに連れて行ってくれる王子だが今日はカフェだった。


そのカフェも高級そうな場所なのだが花が多く、とても落ち着く。


「いつも、高級レストランなどでは疲れるでしょう?それに実は僕、こういう落ち着いたところのほうがすきなんですよ。」


「そうなんですか!わたしてっきり…」


はっと、口を噤む。


「はは、別に構いませんよ。よく意外だっていわれますし。」


すいませんと謝ろうとしたが、王子の次の言葉に私は固まってしまう。


「好きな女性には、本当の自分を知ってほしいですしね。」


私は真っ赤になってしまった。こんなキザな言葉でもルイ王子に掛かれば赤面急の殺し文句だ。




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