シンデレラと魔法使い
コンコンッ


「はいれ。」


失礼します、という声と共に入ってきたのはルイの家来で親友でもあるアシルだった。


「どうしたんだ?アシル。」


「アンヌに贈り物がきてたからもってきたんだ。」


手渡されたのは、小さなオルゴールだった。


海を思わせる装飾がとても可愛い。



ちなみに、アシルは他の家人がいるときこそ敬語だが私達の前だとそれもない。


私に対しては出会って数分で呼び捨てで、からかってくる。


「ありがとう。誰から?」


「さあ?差出人はなかったけど大方友達じゃないか?お前の名前宛だったし。」


私の名前や姿はまだ国に公表されていない。


だが、口止めはされていないので言おうと思ったらいえる。


「誰かにいったっけ…?」


あまり友達のいない私は誰だと首をかしげながらふたをあける。


それと同時にかわいらしい音楽が流れ出した。


「聞いたことない曲だな。」


「うん。」


オルゴールの中をみるとカードが入ってあった。


(差出人かいてるかな?)


そのカードを手にとってなにが書かれているかみてみる。


「アンヌ、なんて書いてあるんだ?」


カードから目を離さない私を不思議におもったのか、ルイがのぞきこんできた。


さっとカードをかくし私は笑顔とつくる。


「結婚おめでとうだって、近所の仲いいおばあちゃんだった。」


「そうか。よかったな。」


ルイが微笑む。


微笑みをかえす私にアシルが言った。


「おばあちゃんが友達っアンヌやっぱ変だな!」


嫌味とも取れる言葉だが、アシルが口に出すとそう感じられないから不思議だ。


やはり人柄なのだろうか?


「余計なお世話!!」


三人で笑いあっていると、レオが呼ばれた。


そろそろスタンバイするそうだ。


「じゃあ、あとで。」


私の額にキスを落としてルイたちは部屋をでた。
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