シンデレラと魔法使い

3

あれから5年――


私は、18歳になっていた。


「シンデレラ!!朝食はまだ!?」


「ごめんなさい!今、持っていきます!!」


今は、お母さんとお姉ちゃんたち4人で暮らしている。




そう、アンバーニはもういない…


2年ほど前に病気で他界したのだった。


唯一血の繋がった家族を失い途方にくれていた私を待っていたのは地獄の日々だった。


アンバーニの葬式もおわり少し落ち着いたある日…


私は、お母さんやお姉ちゃんたちから奴隷のような扱いを受け始めた。


挙句の果てに、アンバーニと結婚したのは金目当てという始末――


最初は怒りに震えた私だったが今ではあきらめ、いつか家を出て行こうと考えている。


そのために今はお金を集めている最中だ。





ちなみに、シンデレラというのはお姉ちゃんたちがつけたあだ名だ。


あだ名をつけるほど仲がいい、ということではない。


シンデレラとは『灰かぶり娘』という意味。


なんでも、家事をして綺麗な服も着ず(着せてもらえずといったほうが正しいが)薄汚れているからだそうだ。


つまり、私を非難するためにつけられたあだ名というわけだ。


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