見えないモノと、指の銃。
02.一かい百えん


「最近よく来る奴いるじゃん?
先輩、先輩って呼ばれてるけど、
あれってなんかの後輩なの?」

「ん、まあそんな感じ」


級友の萩原(はぎわら)に尋ねられ、
事実を言うのは躊躇われるので、
適当に流しておいた。


あれから数回、
やっぱり俺は似たような事に付き合い、
さらに毎日、何かを撃たれている。


今日も来るんだろうな、と
複雑な思いでいる俺を知らず、
萩原は俺に話しかけ続けてくる。


「そういやさ、
近くに女子高あんじゃん?」


確か、なんとか女学院とかいう
お嬢様っぽい学校が近くにあった。


「そこにさ、
すんごい可愛い子いるんだよ」

「へー、よかったじゃん」


「ちゃんと聞けよ!
でさ、その子の背中に、
貼り紙貼ってるんだって」

「……貼り紙?」


なんだそれ、いじめか?


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