氷狼―コオリオオカミ―を探して
サヤの次に別の顔があたしを覗き込んだ。


血の気のない白い顔――馬の乗り手だ。


思っていたよりずっと若い顔立ちだ。

あたしと同じくらいに見える。

顔を取り巻く髪の毛は、よく見ると白というより銀色に近かった。


そして


あたしを見つめる瞳はアイスブルーって言うんだろうか、色の薄い青で、なんだか吸い込まれそう


「お前を連れて行かなくてはならなくなった」

馬の乗り手が言う。


彼はあたしの口から狐の手をどけると、唇を重ねた。


口から冷気が体の中に流れ込む。


あたし死ぬのかな


救急車のサイレンが聞こえる中、あたしの意識は遠ざかっていった。

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