氷狼―コオリオオカミ―を探して
「どうして?」


「うるっさいわね。嫌いなの! 外見も、性格も! そっちはどうなのよ。自分のこと好き?」


「好き……かな? 欠点はあるけどね」


「幸せな人!」


「幸せだと悪いみたいに言うんだね」


「ほらね。自分のこういう所が嫌いなの。素直じゃないし、いつも怒ってる」

女の子は肩を落とした。

「なるべく期待しないようにはしてるんだけど」


期待?


「誰かがわたしを好きになってくれるんじゃないか、わたしのこと理解してくれるんじゃないかって期待」


「家族はいないの?」


「いるよ。だから余計にムカつくの。うちの親って、わたしのやること全部否定するんだ」
< 98 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop