恋の魔法
目の前にいた人を見て、息をするのも忘れるくらいに綺麗と思った。
男の人に綺麗は失礼かもしれないけど、綺麗しか浮かばないくらいカッコ良かった。
サラサラの黒髪に切れ長の目
スッと筋が通った高い鼻、キュッと少し口角の上がった薄い唇。
完璧だと思った。
「ねぇー、聞いてる?」
「えっ、あぁ…はい」
「ふふっ可愛い」
ドキドキ…
そんな可愛いものじゃない
心臓の音が速くなるのがわかってバレないように必死だった。