Voice
そして今私は
優斗君と曲の打ち合わせをしていた
「どうしようか?
俺クラシックしか弾けないよ?」
いや、目が見えないのに
クラシックが弾けるってすごいよ…
すると優斗君は
椅子に座ってピアノを弾き始めた
(上手いな…)
すると優斗君はピアノを弾きながらこう言った
「母さんが死んでから
俺、何もできなくて…
でもピアノは違った
弾くたびにどんどん弾きたくなった
それに…母さんがピアノ
好きだったんだ」
そう言って優斗君は静かに目を閉じながらピアノを弾いていた
なんて綺麗な色なんだろう…
私はいつの間にか
優斗君のピアノにフルートを重ねていた