堕ちても君と
出来るだけ体力を温存しながら暫く歩き、やっとムーラが足を止める。






「ここよ。」






ムーラの不機嫌そうな声と共に開かれた、黒い扉。






その中は豪華な家具が並び、アレンの部屋と同じくらい素晴らしい造りだった。







「ありがとうございます」






後ろで壁にもたれかかり、腕を組んでいるムーラに微笑む。






「ありがとう」






無表情でこちらを見ているムーラに、もう一度礼を言う。






「私はアレン様の命に従っただけよ」
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