【短編】それでも秘密☆
夏を漂わせる風。

雲一つない空。


サクラ、ルリ、あたしに勇気をください…。


あたしは、掴んでいたリョウの手を放して、胸に手をあてた。



「リョウ…聞いてほしいことがある。」

振り返ってリョウの目を真っ直ぐみた。

「ユカリ…?」


「何も言わずに聞いててくんない?」


リョウは、首だけ縦に動かし頷いた。


「あたしね…元ヤンなんだ。バイク乗ったり、喧嘩もしたし、煙草もシンナーもしてた。」

そこまで言ったら、リョウの目を見れなくなった。


「ユカリ…俺の目見て言って?」


「リョウ…」


「大丈夫だから…ね?」


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