名前も忘れてしまった
「そりゃあ、可愛くもないし、暗いし、口下手だし、特別出来ることもないし…。良いところなんか1つもない。」
私は木下くんから目をそらして話した。
こうやって人に話してみると、本当に私はなんにも取り柄がない
そう思ってしまった。
「……そんなこと言うなよ。」
「え…?」
木下くんの真剣な声が耳に響く。
そしてまた私を見つめる。
「町谷はさぁ…自分のこと、下に見てるよな。」
「だって…私……」
「駄目!!それ以上言うな!!」
木下くんに私の言葉を遮られた。