記憶 ―流星の刻印―


皆からも溜め息が漏れた。

…あぁ、ごめんなさい。
申し訳なさと、
虎白に対する呆れで一杯よ…。

虎白を床から抱き上げて胸に抱くと、『もう離れるものかっ』としっかりと頭を擦り付ける。

にゃぁ…と、
まだ弱々しく鳴きながらも、大分落ち着きを取り戻したわ。



「…勝手に抜け出して、ごめんなさい…。ちょっと気分転換に、太磨と湖へ行っていたの…」

私は皆に言ったのだけど、
『バカ~っ、バカ~っ!!』と、
ウルサイのが胸でひたすら鳴いていたわ。


「…それで?ちょっとは、気分は落ち着いたのかい?」

ババ様は瞳を閉じて、1人落ち着いて椅子に座っていた。


「――えぇ。」

私がそう頷くと「そうかい」と目を細めて少しだけ笑みを漏らす。


「………?」

私は何か違和感を感じて、
首をひねったわ。

あれ…虎白…?


「…虎白、あんた…ちょっと重くなってない?」

『にゃ?』

最近よく眠っていたから?
成長期なのかしら?


「…やだ、これ以上重くなったら、私はあんたを抱っこしないわよ…?」

そう言いながら、
横に居た太磨の腕に虎白を預けたわ。


『…んな~っ!?ヒドイっ!!』

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