記憶 ―流星の刻印―


「…本当だな、ちょっと大きくなったか?坊ちゃん…。」

太磨もそう首を傾げていた。

にゃっ!!
『――歩くっ!!歩くから置いてかないでよっ!!わぁあぁん!!』

……うるさいわね。
だから置いてかないってば。



「…ババ様、花梨さんは…?」

部屋を見回すと、
花梨さんの姿だけがない事に気が付いたの。


「…あぁ、花梨は今朝、一足早くこの里を出て貰った。」

「…え?どこへ?」

一応、関所の所長な訳だし、仕事に戻ったのかしら…と、私はそう思ったの。

でも違ったわ。


「…四彩華の中央機関へ。お前たちもこれから行って貰うよ。花梨は道中の安全確保の為に、早く出たんだよ。」

「…中央…機関…?」

聞き覚えがある程度の単語。
ちょこちょこ、ババ様や花梨さんの口から聞いていた。

四彩華の国の機関。


「…どこにあるの…?」

その所在地を、
聞いた事はなかった。

草原、氷上、渓谷、砂丘…
4つの国の、どこか…?


「ちょっと厳しい道中になるね?よく眠れたかい?」

「……?」

首を傾げる私。
ババ様は、人差し指を上へ向けていたの。


「…皆、山登りは初めてだね?…頑張んな。」

ババ様は、
意地悪くニヤッと笑ったわ。

< 168 / 175 >

この作品をシェア

pagetop