記憶 ―流星の刻印―


本当に色々あったのよ。
殆どの事務作業は太磨がやってくれたけど。

それらを終えて、
入国の許可が下りるまで待合室らしき所で待っているのだけど…、

………長いっ。

長すぎよ!?
時間が勿体無いったらないわ。


「…まぁ、休息の時間だと思って少し落ち着いて下さいよ、我が姫?」

太磨は苛々した私の相手をする時は、決まって「我が姫」と呼ぶ。
それにムッとする私。


「――だって、これじゃ日が暮れちゃうわよ!?」

「……さっき通り掛かりの奴に聞いたら、日によっては一晩掛かる場合もあるらしい。」

太磨は窓際の石造りの椅子にドシリと座りながら、膝の上で眠る虎白の頭を撫でていた。

すぐにでも、自分も眠ってしまいそうな覇気のない表情で。


「……一晩ですって?どんだけ掛かるのよ!!国境って言っても、同じ国じゃないのっ。何が入国審査よ!?」

だって「四彩華」は統合した1つの国なんだから、国境っていう事自体おかしいじゃない。


「まぁ、元々は違う国だった訳だし、違う自治体が治めてるからな?風習も制度も少し違う…。仕方ないだろ。」

「それにしたって…」

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