好きな人は、
ゴクゴクと音を鳴らす先輩の喉さえカッコいい。
ていうか睫毛長いんだなー、意外と。
あれ、首にホクロなんてあったっけ。初めて見つけたようわーっ。
じーっとガン見していると、ペットボトルを口から離した三木先輩の口から小さなため息。
「……見すぎ。」
「だってカッコいーんだもん。」
「『だもん。』じゃないよ。」
まったく、と呟きながらコンビニ弁当のパックを片付け背伸びして。
フェンスに寄り掛かってグラウンドを囲む紅葉を眺める、三木先輩。
ずっと見てたいなー、なんて叶わぬ願望を心の中で呟いてみる。
でもやっぱりそれはムリな願いだったようで。
"ムリだよー。"という神様の返事のごとく、昼休み終了5分前を告げるチャイムが鳴った。