誠-変わらぬ想いの果て-



「奏、大丈夫か?」




前で聞いていた山崎は心配そうに奏を見た。


あづさも同じく心配げにしている。




「何でもないよ。さ、次は日本史か。行こ、烝」


「あぁ」




あづさは世界史なのでここで別れることになる。


バイバイと手を振るあづさに手を振り返し、二人は教室を後にした。




「奏、さっきの…」


「うん。あの人だろうね。氷雨はいきなり由香里さんが現れたって言ってたし、由香里さんも気付いたらって言ってたし」


「あの男がまた何らかの糸を引いている……というわけか」


「だろうね。でなきゃ、生身のただの人間が空間を移動するなんて無理だし」


「確かに。厄介なことになってきそうだな」


「うん。そうだね」






あの後、潮の所から正式に事件は解決したと小笠神社の天狗に伝令が飛ばされた。


これで事件は幕を引いたかのように思えたが、これはただの挨拶、始まりにしか過ぎなかった。



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