金髪王子2
「うーん、この時間になっても来ないってことは、忘れてるのかもね」
「えー、こんなに混んでるのに、森さんひとりで大丈夫ですか?」
「うん、平気よ。貸し出しは、ちょっと並んで待ってもらうかもしれないけど、どうにかなるわ」
そう言ってる間にも、本を抱えた子がカウンターにやってくる。
私は邪魔しないように、森さんに会釈して、カウンターを離れた。
さて、それじゃ、今日は、海外ミステリーの文庫の棚から見ていこうかな?
そんな風に考えながら、本棚へ向かおうとすると、検索用パソコンの前にいたふたり組の男子がもめ始めた。