金髪王子2
「すごいですね」
「ううん、全然すごくなんかないの。
聖慶でも、図書館情報科は特殊な学科だから、それほど倍率が高くないのよ」
「えー、そうなんですか?」
「少なくとも私の頃はそうだったわ。
ね、栞ちゃんも、図書館情報科、考えてみたら?」
「はぁ、そうですね……」
そのとき、本を抱えた子たちが、ぞろぞろとカウンターにやってきた。
「あ、じゃぁ、私、自分が借りる本、探してきますね」
貸し出しの邪魔をしないように、席を立つ。
森さんは、「いってらっしゃい」と私に笑顔を向けると、並んでいる子から本を受け取って、貸し出し処理を始めた。