金髪王子2

うぅっ、綾音、まだこっちをじーっと見てるんだけど。


なんだか、沈黙が突き刺さって、痛いよ。


「あの、綾音?」


私が半笑いで問いかけると、綾音はふと目をそらした。


「ん、わかった。
じゃぁ、別れたわけじゃないのね?」


「うん……」


実質、別れたみたいになっちゃってるけど、大輔くんに別れを告げられたわけではないし、私もそうは言っていないから、別れてはいない、はず。


すると、綾音は一度そらした目を、またまっすぐ私に向けてきた。

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