金髪王子2

感動していると、向こうから村上先輩が歩いてくるのが見えた。


「お待たせ。あれ、ひとり?」


「はい、実は、綾音、熱を出して来られなくなっちゃったんです」


私がそう説明すると、村上先輩は、ちょっと驚いたようだったけど、すぐに笑顔になった。


「あ、そうなんだ。
じゃ、さっそく行こうか」


「はい、よろしくお願いします」



私が頭を下げると、村上先輩は、正門を入ったところにある守衛室に声をかけた。


そこでもらった見学許可証を首から提げ、先輩のあとについて、大学構内に足を踏み入れる。


うわぁ、ドキドキするなぁ。

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