金髪王子2
「それは、やっぱり俺が……」
大輔くんがまたなにか言おうとするから、
ギュッと手を握って止める。
「ホントにちがうの。
聞いて?」
じっと目を見てそう言うと、大輔くんはちょっとびっくりしたように、口を閉じてくれた。
ゴメンね、でも、最後まで聞いて欲しいから。
ちゃんと伝えたいから……。
電車の中はそこそこ混んでいる。
私が座っているのは、7人掛けシートの一番端だけど、
大輔くんの右隣には人が座っているし、
私たちの前には、つり革につかまって立っている人もいる。
私は声の音量を下げた。