金髪王子2

私だって、以前は金髪王子って呼んで、目で追ってた人だから、初めて大輔くんに会った森さんが興奮する気持ちも、わからなくもない。


でも、ちょっぴり複雑だな……。



「えーっと、今日は、ちょっと質問があって来たんですけど……、そろそろいいですか?」


しびれを切らしたらしい大輔くんが、本題に入ろうと口火を切った。


「あ、ごめんなさい。
はい、どうぞ」


森さんは、姿勢と表情を改め、大輔くんに向き直る。


すると大輔くんが、私にアイコンタクトを送ってきた。


それに小さくうなずいて、私は口を開いた。

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