金髪王子2
森さんがティッシュの箱を差し出してくれる。
「栞ちゃん、泣かないで~」
「えぇっ、だって、森さんも大輔くんも……」
優しすぎるんだもの。
こんなに私のことを思ってくれてるなんて。
どうしてそんなに優しいの……?
そう言いたいけど、涙で言葉にならない。
でも、森さんは私の心の中の疑問に答えるように言ってくれた。
「それはね、栞ちゃんがいい子だからよー。
それに、私も奈良坂くんも、栞ちゃんが大好きだから。
ね、奈良坂くん?」
森さんが背中をなでてくれる手が、すごく温かくて、私の涙はちっとも止まらなかった……。