金髪王子2

森さんがティッシュの箱を差し出してくれる。


「栞ちゃん、泣かないで~」


「えぇっ、だって、森さんも大輔くんも……」



優しすぎるんだもの。

こんなに私のことを思ってくれてるなんて。

どうしてそんなに優しいの……?



そう言いたいけど、涙で言葉にならない。


でも、森さんは私の心の中の疑問に答えるように言ってくれた。


「それはね、栞ちゃんがいい子だからよー。
それに、私も奈良坂くんも、栞ちゃんが大好きだから。
ね、奈良坂くん?」


森さんが背中をなでてくれる手が、すごく温かくて、私の涙はちっとも止まらなかった……。



< 448 / 519 >

この作品をシェア

pagetop