金髪王子2

「落ち込んだり、泣いたり」


照れ笑いしながらつぶやくと。


「あぁ。
でもべつに、みっともないなんて思ってないよ」


大輔くんは、なんでもないことのように、そう言う。


でも、やっぱり。


「私、空回りしてばっかりだよね」


「ん、なにが?」


「だって、そもそも、司書になるには、図書館情報科じゃなきゃダメだって思い込んで、聖慶大を受けようって決めて、そのために予備校まで行って。
でも、北山学園大でも司書の資格は取れるってわかって。
受験勉強も無駄になっちゃったし、いろんな人に迷惑かけちゃったし」


自分の愚かさが情けないよ。

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