金髪王子2

箱からもうひと切れ取り出した大輔くんは、それを私の口元に差し出した。


これって……。



「あーん」



えぇぇっ!?


大輔くんは、ニコニコしながら、ブラウニーを私の口に近づける。


思わず、教室内に目を走らせた。


窓際に数人。


後ろのドア付近にも数人。


でも、どっちのグループも、自分たちのおしゃべりに夢中に見える。


ほらほら、と大輔くんがブラウニーを勧めてくるので、しかたなく、パクッとひと口かじった。

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