金髪王子2
でも、なんだか今は声をかけづらいな。
そうだ、まだ片付け途中だったんだ、荷物、カバンにしまおう。
私が帰り支度を済ませる頃には、大輔くんの表情はおだやかになっていた。
よかった。
ホッとして、一緒に音楽室を出ながら、話かける。
「あの、大輔くん?
綾音の話、あんまり本気にしないでね?
村上先輩、私のことなんて、なんとも思ってないかもしれないし」
「ん、あぁ、わかった」
そう言いながらも、大輔くんはちっともわかったって顔じゃない。