金髪王子2
心配そうな栞の顔を見て、安心させるように微笑む。
「いや、大丈夫。
栞は気にしなくていいから」
「うん……」
栞は納得いかない様子だけど、村上先輩のことなんて、さっさと忘れてほしい。
栞が、ほんの短時間でも他の男のことを考えるなんて、それすら、ムカつく。
アイツのことは俺が対処すればいいことだ。
俺は、話題を変えた。
「そういえば、管弦楽部、もうすぐコンサートがあるんだろ?
卒業生を送る演奏会、だっけ?」