金髪王子2
「そうなのよ!
『さすが俺の明日香だ』みたいなこと言っちゃって。
現役のメンバーはみんな、奈良坂と栞が付き合ってることは知ってるじゃない?
だから、周りは冷ややかに見てるんだけど、村上先輩、全然空気読めないみたいで……、
って、ちょっと、奈良坂、まだ私の話、途中!」
それだけ聞けば、十分だ。
俺は、菊地をその場に残して、ドアの中に入っていった。
ザワッ。
入ったとたん、注目を浴びる。
まぁ、部外者だし、それでなくても、俺、目立つからな。
そんなことは、今さら気にしない。